たまに「スクラムが難しい」って相談があって見に行ったりする。

「プロダクトオーナーとしてやることはしっかりやってるんです」

「もちろんバックログがあります。そして、ストーリーが優先順にならべられています」

「MVP(Minimum Viable Product)も考えていて、ここまでが必須だと考えています」

「そしてこのMVPをこの日までにリリースしたいと考えているんです」

いいですね。

でも、ストーリーポイントを見たところ難しそうですね。

「そうなんです。もうプロダクトオーナーとして自分ができることは全てやりましたから、あとは開発チームに、この日までにリリースできるようになんとか頑張ってもらうしかないと思っています。スクラムではこういうときどうしますか?」

そうですね・・・。まずは、実現できないということを受け止めましょう。

「え?」

そして、ここで頑張るのは開発チームではなくてプロダクトオーナーですね。

「もう自分のできることは全てやっていますよ?」

MVPの中から何かを諦めて、本当のMVPを見つけてください。

「もう最小限です。これ以上削ることはできません」

では、リリース日を諦めてください。

「それも難しいです」

でも、それではリリースができませんよね。

「はい・・・」

例えば、この部分をこういう風に分けることで、後からリリースできそうですね。

最初の目的を達成するにはこの部分だけで良さそうです。

「確かに・・・でも、それだとユーザーにとって見た目が良くないものになってしまいます」

そうですね。

「それに、それだと全部一気にやるよりもトータルで時間がかかってしまいます」

そうですね。

ですので、選んでください。

開発チームに根性でなんとかしてもらおう、ではなくて、まずは現実的な道を見つけてください。技術的な視点も必要ですから、開発チームに相談しながら一緒に探す必要があると思います。

そしてプロダクトオーナーとして決断をしてください。何を選んで、何を選ばないのかを。


みたいな話。

スクラムをやるのが難しいということではなくて。

単にもともと抱えてる問題が難しくて、なのに、それを見ずにどこかに押しやってしまっていて。

でも、スクラムがそれをテーブルの上にのせてしまうから、正面から向き合って解決していくのが難しいってことなんじゃないかな。

と思ったりした。