この数年は色んな開発チームのサポートをしてるんだけど、最近、その中のひとつのチームに対するサポートの方法を切り替えた。「外からアドバイスをする」から「中に入って実際にやり方を見せる」に。
たまに「どうしてそこまでやる必要があるのか?それで成長できるのか?自分で考えて決断をしていくことで成長するべきではないか?」みたいに考える人もいるかもしれないけど、僕は単にそうした方がそのチームにとって良いなと思っただけ。
「このチームはダメだなー」とかは全く思ってなくて、むしろそのチームのことが好きなので「どうやるのが一番ストレスなく成長できるかなー?」というのを考えた結果の切り替え。
ただ、感覚で動いてしまってるので、自分の頭の中の整理のためと、そのチームも含めて周りの人に説明できるようにするために理由を考えてみたいと思う。たぶん、Management 3.0の7つのレベルのデリゲーション(権限委譲)の部分と照らし合わせてみたら良さそうかなと思ってるので、見てみる。
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## 7つのレベルのデリゲーション
こんな感じか。
- 伝える:私が決定し、チームに伝える
- 説得する:私が決定し、チームを納得させる
- 相談する:チームに相談してから、私が決定する
- 同意する:チームと一緒に決定する
- 助言する:助言はするが、チームが決定をする
- 尋ねる:チームが決定し、後で私を納得させてもらう
- 委ねる:チームが決定し、私は気にしない
## 「外からアドバイスをする」は、どこかな?
「5. 助言する」かな?何か困ってるって相談されたときに「それはこうすればいいと思うよ」って伝えて、あとはチームが決めて進めるから。あ、でも「6. 尋ねる」と「7. 委ねる」もあるなぁ。「この部分、どうしてそういう決断をしたの?理由だけ知りたい!」とかもあるし、チームが自信があるところはそもそも関わりもしないので。
## 「中に入って実際にやり方を見せる」は、どこかな?
「2. 説得する」「3. 相談する」「4. 同意する」「5. 助言する」「6. 尋ねる」「7. 委ねる」全部やってるな。「外からアドバイスをする」と比べてみると「2. 説得する」「3. 相談する」「4. 同意する」が追加されたってことか。そうだな、僕が決定に関わるようにしたんだもんな。
チームが全然やったこともないような部分は「2. 説得する」で僕が決めて「その理由はね・・・」って説明するし、チームがちょっと苦手な部分は「3. 相談する」で「どうしたらいいと思う?」って聞いてから「じゃ、これにして進めよう」って話をするし、チームだけで決めるのが難しい部分だったら「4. 同意する」で一緒に考えて決める。
## こういう風にやってるってことか
- 2 説得する:チームが未経験の部分は、私が決定し、チームを納得させる
- 3 相談する:チームが苦手な部分は、チームに相談してから、私が決定する
- 4 同意する:チームだけで決めるのが難しい部分は、チームと一緒に決定する
- 5 助言する:チームが不安に思ってる部分は、助言はするが、チームが決定をする
- 6 尋ねる:チームが得意な部分、だけど説明することを意識しておいて欲しい部分は、チームが決定し、後で私を納得させてもらう
## 権限移譲のステップ
例えば、未経験の部分から考えると
- まずは決定を見せてあげて、未経験→経験はあるけどまだ苦手、にして
- そしたら次は「前は僕だけで決めたけど、今度は考えを聞かせて?でも、僕が決めるから安心して」で、考えをもらって
- そしたら次は「じゃ、今回はみんなでかんがえて決めよー!」ってなって
- その次は「こういう観点があるといいと思うよー」みたいなのを伝えてチームに決めてもらって
- んで「お、どうしてそう決めたのか理由を教えてー」って理由を説明できるようにしてもらって
最後は、「この部分はもう任せるー!」になるってことか。
## すっきりした
んむー。すっきりした。チームが未経験の部分に突入してるから、その部分は僕が決定してあげるのが一番成長できるかなと思ったってことだな。チームにもこのステップを伝えておくと、成長のためのステップが見えて良さそうだな。ちょっと落ち着いたら、開発の中の色んな部分に対して、チームと一緒にデリゲーションポーカーしてみよっと。
## 追記
書いた後に思ったけど、最終的には未経験でも自分たちで何とかする力もつけられたらいいな。あとで追記しとこ。
— Mitsuyuki Shiiba (@bufferings) 2019年2月2日