8/26 発売!
『スクラムの拡張による組織づくり』をいただいて読んだ。だいくしーさんの書かれた本。昨日 8/26 発売。すごく読みやすいし、色々と頭の中でぐるぐる考えて面白かった。
大規模スクラムに興味がある人にオススメ
Scrum@Scale という大規模スクラムのフレームワークの解説を中心にした書籍なので、Scrum@Scale に取り組みたい人や大規模スクラムに興味がある人には、もちろんとてもオススメ。僕は全然 Scrum@Scale のことを知らなかったので本書で入門できて勉強になった。
そして、読みやすい。これから何を説明するのか、なぜこれをここで説明するのか、という著者の意図が各章の最初に書いてあるのが嬉しい。まえがきを含めて、一冊を通しての流れがとても分かりやすいので、まえがきから読むのがオススメ。
まえがきから第6章までを通して読んで「なるほど。Scrum@Scale ってこんな感じなのかー」からの、最後の第7章が実践者にしか書けない内容でとても好き。「自分たちがどう実践しているか(してきたか)」を書いてくれている。「おー!実際にはそういう感じにやってるのかー!」ってなった。内容は読んでのお楽しみということで。
アジャイルな組織づくりをしてる人にオススメ
そんな風に、大規模スクラムに興味がある人にはもちろんオススメなのだけど、本書は、大規模スクラムに取り組んでいなくても、組織づくりについて考えている人たちにとっては、とても面白い書籍だと思う。
実際に僕は読みながら組織づくりについて色々と考えさせられた。僕自身は、いまのところ大規模スクラムを必要とはしていない。でも、組織としてどうやったらよりよい開発ができるかなぁってことはよく考えていて、そのあたりのヒントがたくさんあって楽しかった。
- チームをどう分けるか
- そのチーム間のコミュニケーションをどう設計するか
- プロダクトの方向性をどう決めていくか
- などなど
こういった組織づくりの問いに対するひとつの答えとしての Scrum@Scale だなぁと感じた。なので、そのやり方を学んで「なるほど Scrum@Scale では、そうやるのかぁ」って感じ。
そして、自分が過去に所属していた組織や現在所属している組織のことを考えてみると「あの会議体でその辺のことを話してたなぁ」とか「たしかに、大きめの決断はチーフプロダクトオーナー的な人がいたなぁ」とか「今のプロダクトオーナーと仕事がやりやすい理由はそこかぁ」とか「自分が隣のチームのデイリースクラムに参加してるのもそういう理由なのかな」とか、色々考えながら読んで楽しかった。
たぶん、そうやって考えてみると、どこの現場でも似たような目的の会議体やコミュニケーション設計をしてるんじゃないかなと思う。そのひとつのガイドラインとして Scrum@Scale はとても参考になる。Scrum@Scale と自分の組織のやり方を比べてみることで、改善できる点や、別のやり方などのヒントを得られそう。
Scrum@Scale を押しつけてこないのがイイ
これはとてもだいくしーさんだなと思う部分。読んでて、押しつけられている感じが全くなくて心地よく読める。
そもそも、この書籍はスクラムをスケールさせるフレームワークの話なのに「スクラムのスケールは安易に選択すべきではない」で始まるし、タイトルも『Scrum@Scale による組織づくり』ではなく『スクラムの拡張による組織づくり』だし。
「実現したいことに対して、自分たちは Scrum@Scale を選びました。そこで得た知見を共有します。みなさんの役に立つと嬉しい」という雰囲気で書かれている。だいくしーさんらしく優しくて好き。
面白かった!
大規模スクラムに興味がある人にはもちろん、アジャイルな組織づくりに取り組んでいる(取り組もうとしている)人にもオススメの一冊です!