スクラムガイド2016年版
RSGTの発表のことを色々考えてたら、そもそもスクラムって何だっけー?って思ってしまって、スクラムガイドを読もうとしたら、あれ?2016年版ってのがある
http://www.scrumguides.org/docs/scrumguide/v2016/2016-Scrum-Guide-Japanese.pdf
さらーっと読みながら、あれー?スクラムの価値基準とかあったっけなー?全然覚えてなかったー。って思ってたら、スクラムガイドの最後に「2016年版ではスクラムの価値基準が追加されたんだよ!」って書いてあって。おー!そーなのかー!って思った。
スクラムの価値基準
Commitment, Courage, Focus, Openness, Respectの5つ。実際にはこんな風に書かれてる:
スクラムチームが、確約(commitment)・勇気(courage)・集中(focus)・公開(openness)・尊敬(respect)の価値基準を取り入れ、それらを実践するとき、スクラムの柱(透明性・検査・適応)は現実のものとなり、あらゆる人に対する信頼が築かれる。スクラムチームのメンバーは、スクラムのイベント・役割・作成物に触れて、仕事を進めるなかで、これらの価値基準を学習・探索する。
スクラムを活用するには、これらの 5 つの価値基準を上手に実践しなければいけない。個人はスクラムチームのゴールの達成を確約しなければいけない。スクラムチームのメンバーは、正しいことをする勇気を持ち、困難な問題に取り組まなければいけない。全員がスプリントの作業とスクラムチームのゴールに集中しなければいけない。スクラムチームとステークホルダーは、仕事や課題と、その遂行の様子を公開することに合意しなければいけない。スクラムチームのメンバーは、お互いを能力のある独立した個人として尊敬しなければいけない。
http://www.scrumguides.org/docs/scrumguide/v2016/2016-Scrum-Guide-Japanese.pdf
んー。いまいちピンとこないな・・・。そもそも、どうしてわざわざこんなセクションを追加したんだろう?もう少し詳しく知りたい!
もうちょい詳しく!
てことで、うろうろ。Daveの記事:
ふむふむ。よくある勘違いの部分、こんな感じか?
- Commitment
- (勘違いだよ→) 上司から言われてよく理解できていないことにコミットすること
- (こうだよ→) チームとスプリントゴールにコミットすること
- Focus
- (勘違いだよ→) 顧客を幸せにし続けることにフォーカスすること
- (こうだよ→) スプリントとスプリントゴールにフォーカスすること
- Openness
- (勘違いだよ→) やってることの全てを全員に伝えること
- (こうだよ→) 成功の妨げになっている課題や問題がある場合にハイライトすること
- Respect
- (勘違いだよ→) ヒーローになることによって自分がチームを助けていると考えること
- (こうだよ→) 自分の得意なことをメンバーが学ぶのを手助けすること、そして、他のメンバーが何が不得意なのかを判断しないこと
- Courage
- (勘違いだよ→) 決定が下された後だとしても、押し返し続けること
- (こうだよ→) 透明性を持って取り組むが、変更を厭わないこと。たとえその変更が、自分が間違っていた、または自分の意見がチームの向かっている方向と違った、と受け入れることを意味するとしても。
ふむー。分かるような分からないような・・・。リスペクトのところとか、どこに「尊敬」が入ってるのかよく分かんないなぁ。とか。もう少し詳しく知りたい!
もうちょい詳しく!
てことで、Daveの記事に「Scrum Valuesに関してはここに詳しく書いてくれてる」ってあったので見てみた:
So, commitment is about dedication and applies to the actions, the effort, not the final result.
あ。ふむふむ。なんか繋がってきたぞ。(間違ってたらごめんなさい。ついったーで教えていただけると嬉しいです。@bufferings)
Commitment(献身)
コミットメントは『献身』であり、それは最終結果に対してではなく、行動や努力に対して適用するものである。などなど。
ふむ・・・「確約する」という方の意味じゃないっぽい?でも、そうするとなんかしっくりくる。
Focus(集中)
将来的に重要になるかも、ってことに煩わされないようにして、目の前の最も重要なことに集中すること。などなど。
Openness(心が開かれていること)
仕事や進捗などの透明性も重要だが、それと同時に、人に対して、そして人と働くことに対して心が開かれていることも重要である。人を人として認めること。リソースとしてではなく、ロボットとしてではなく、交換可能な部品としてではなく、人として認めること。などなど。
Respect(敬意)
人や、その人の経験や、バックグラウンドに敬意を払うこと。多様性に、異なる意見に敬意を払うこと。誰も使わない機能を作らないことによって、スポンサーに敬意を払うこと。とか。それと、お互いのスキルや専門知識や洞察に敬意を払うこと。などなど。
スクラムガイドの英語を見てみる
それを踏まえて、スクラムガイドの英語を見てみる。
When the values of commitment, courage, focus, openness and respect are embodied and lived by the Scrum Team, the Scrum pillars of transparency, inspection, and adaptation come to life and build trust for everyone. The Scrum Team members learn and explore those values as they work with the Scrum events, roles and artifacts.
Successful use of Scrum depends on people becoming more proficient in living these five values. People personally commit to achieving the goals of the Scrum Team. The Scrum Team members have courage to do the right thing and work on tough problems. Everyone focuses on the work of the Sprint and the goals of the Scrum Team. The Scrum Team and its stakeholders agree to be open about all the work and the challenges with performing the work. Scrum Team members respect each other to be capable, independent people.
http://www.scrumguides.org/scrum-guide.html#values
なるほど。なんかちょっと分かったかも。自分なりの解釈はこういう感じ。
スクラムチームが、献身(commitment)・勇気(courage)・集中(focus)・心が開かれている(openness)・敬意(respect)の価値基準を取り入れ、それらを実践するとき、スクラムの柱である透明性・検査・適応に息が吹き込まれ、全員で信頼関係を築くことができる。スクラムチームのメンバーは、スクラムのイベント・役割・作成物に触れて、仕事を進めるなかで、これらの価値基準を学習・探索する。
これら 5 つの価値基準を上手に実践することで、スクラムを有効に活用することができる。個人はスクラムチームのゴールを達成することに対して献身すること。スクラムチームのメンバーは、正しいことをする勇気を持ち、困難な問題に取り組むこと。全員がスプリントの作業とスクラムチームのゴールに集中すること。スクラムチームとステークホルダーは、全ての仕事や課題について心を開いて業務を遂行することに合意すること。スクラムチームのメンバーは、能力がある自立した個人としてお互いに敬意を払うこと。
なるほどなぁ。腑に落ちた。こういう価値を基準にしてスクラムをやることは大切だなって思った。追加した理由も分かる気がする。
常に自分自身に問いかけてると良い方向に進めそう。「献身:全力を尽くしてる?」「集中:先のことに気を煩わせずに、目の前の重要なことに集中してる?」「オープン:関係性に対して・自分を取り巻く事象に対して、心を開いてる?」「敬意:敬意をもって接してる?敬意をもって応えてる?」「勇気:不安から目をそらさずに勇気をもって向き合ってる?」。