AよりB、CよりD
今後の方向性を決める判断の中で「Aという技術ではなくBを採用する方がが良さそうです」とか「既存システムのCは良くないからやめてDを使うようにしましょう」とか。最近、何人か全然別の人からそういう話を聞く機会があった。
AよりBが良さそう?
「僕はAの方が良いと思うんですけど、Bの方が良さそうだと思う理由を知りたいです」って聞くと「Aはこういう部分に問題があると思います」って言われて話が噛み合わなくて、しばらく話をして気づいた。
この人、Aを触らずに想像だけで喋ってるんだ。ってことに。なので、実際に動かして見せてあげると「あぁ、それならAの方が良いですね」ってなった。
「興味があるだけなんですけど、僕も知らない技術だったので少しドキュメントを読んで実際に触ってみて機能を確認してからAの方が良いなと思ったのですが、どうして触らずに想像だけでAは問題があるって断言したんですか?」って聞くと「知らない技術だったので触ったらどれくらい時間がかかるか分からなかったからです」って話で、そっかーってなった。
CはやめてDにする?
もう一つの方は「Cが今使われてるってことは、僕はそこに理由があると思っているので、その理由を確認したいなと思っているんです。その理由が『その当時はCが良いと思ってたんだけど今ならもう使わないな』だったらDにしても良いと思います。だけど、Cに今も有効な理由があるならそこの議論をしたいです」って聞いたら「Cという技術はシステムを複雑にしてるだけなので、Dの方がシンプルで良いです」って言うので、Cを採用した過去の経緯をチェックしてみたら、やっぱりCは今も十分メリットがありそう。
そのあたりを説明しながら掘り下げてみて気づいたのが、この人はCを知らないから使うのをやめたいってことか。
「いちどCを実際に触ってみませんか?」って時間を渡してみたら「実際に触ったらCはめっちゃシンプルで良いですね。これならCを使うべきです!」って言ってくれて、へーなるほど。ってなった。
知らない技術は怖い
「知らない」ってだけで、自分の想像で捉えたり、複雑なものだと思い込んだりして、「これは良くないものだ」と断言してしまうんだなぁという学び。
今後の開発に大きな影響を与える決断なんだから、知らない場合は少しぐらい実際に触ってみようとするはずだし、もし触ることができてなかったら「知らない」って言ってくれるはずだし、相手が「これはこういう理由でイケてない」って断言してるんだったら十分な裏付けがあるんだろう、って考えは危ないなぁって思った。
実際は「単に自分はそれを知らないからイケてないと思っている」「知らない技術だから調べるのも怖い」ってことも普通にあるんだなって。そして、断言してしまう。
だから、その裏付けまで踏み込んで確認しておきたいし、そういう人たちが知らない技術を怖がらないように調べ方や学習方法を伝えていけたらいいし、知らないことを知らないって自然と言えるような場を作れたらいいなって思った。