#RSGT2019 に行ってきたメモ(これにて完了)

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昨日は、帰りの新幹線でさらっと感想を書いたのだけど

#RSGT2019 に行ってきたメモ - Mitsuyuki.Shiiba

どうもこのままではしばらく余韻に浸ってしまって、来月喋らせてもらうスクフェスへの頭の切り替えに時間がかかりそうなので。今日は感謝を込めてもうちょっと詳しく書いて、RSGT2019を自分の中で完了させておこうと思う。こんな流れかな。

  • RSGT?
  • 1日目
  • 2日目
  • 3日目
  • RSGT2019
  • あとがき

## RSGT?

2019.scrumgatheringtokyo.org

よたさんが「カンファレンスじゃなくてギャザリング」って言っていた通り、セッションだけじゃなくて参加者同士の交流が中心にあるイベント。僕自身は、そこまで人との交流が得意な方ではないのだけど、ここは敬意にあふれていて、意見や立場の違う人達がお互いの違いを尊重しあう空気に満ちているので、自然と「お話したいな」って気持ちになれる場所で良い。

## 1日目

### Gabrielle Benefield - Outcome Delivery: delivering what matters

1日目のキーノートはメビウスのループと、その中で適用していけるプラクティスのお話。Left LoopがDiscoveryのループでRight Loopがデリバリーのループ。

Outcome Delivery | Outcomes over Outputs

Scrumの話をするときは右側のループに注目してるけど、言われてみると左側にもループがあるんだよな。むしろ僕はその左側のループで悩むことが多いかも。左右のループをどうバランスよく回していけるかとか、左側に開発チームやエンジニアがどう関わっていくのが良いかとかを試行錯誤してるということなんだろうな。これをヒントにもっと良いチームづくりをしていきたい。

このセッションでは隣の席の人とのワークショップがあったんだけど、たまたま隣の席が@zakky_devで「はっ!ツイッターでは見たことありますけど、はじめまして!」って挨拶できて良かった。いつも笑顔で3日間を通して相手してくれたのでほんとに嬉しかった。

### Yusuke Amano / Toshiyuki Ohtomo - チームワークの会社で最高のプロダクトを目指すチームができるまで -強くてスケールするチームの作り方-

サイボウズさんでスクラムをやり始めたチームが悩みながら、コーチのサポートを受けながら改善していった話。そういう問題が出てくるの分かるわー!へー!そうやったのかー!ってなったりしてた。大友さんの考え方や決め方は、理由や背景が分かりやすいし思い切って決断してるので好きだな。

その後、天野さんともゆっくりお話して、淡々と喋るのに信念を感じてかっこよかった。僕のやってる活動と似てることをやってて「そうそう!」って頷いてたり、サイボウズさんの組織づくりや働き方の話を聞いて「それはいいなー!」って思ったりしてた。

### Yoshihiro Yunomae - 運用中のモバイルゲーム開発チームに、並行バージョン開発を導入してみた

こちらも、一歩ずつ試行錯誤しながら改善していったお話。アカツキさんの事例。ゲーム開発って領域は全然知らないので、色々と違うんだろうなー面白いなーって思いながら聞いてた。フェーズによって担当者の忙しさが違うからバージョンをずらして速度を上げる、ってのなるほどだなー。

湯前さんはEM.FMやエンジニアリングマネージャーのコミュニティなどで知ってたのでお会いできて良かった。No Estimationに対して、見積もりのメリットも話したいな、って言ってたのが湯前さんらしくて好きだった。タコの話が聞けたのが面白かったw

### Takahiro Futagawa - スクラムチームを辞めて20人でカンバン運用してきた半年間の軌跡

エウレカさんでカンバンを運用してきたお話。カンバンって組織の作りを色濃く反映してしまうから「あれ?うまくいかんぞ?」ってなったときには組織と向き合うことになって大変だよなーと思ってるんだけど、それをvol4まで改善しつづけて進化させてるの、すごいと思った。かっこいい。

### Masayuki Tanaka / Ryoichi Nagadome / Takayuki Ono - 東名阪をまたいだLeSS Huge(大規模スクラム)においてスクラムマスターとして実践したこと

YahooさんのLeSS Hugeのお話。自分の直前のセッションだったので緊張してふわっと聞いてた。大規模で拠点をまたいでってやったことないけど、大変だろうなぁと思いながら、そんな中で色々課題に立ち向かっていってて良いなぁと思いながら聞いてた。

### 自分のセッション

がんばった。聞いてくれた方、つぶやいてくれた方、感想聞かせてくれた方、話しかけてくれた方、本当にありがとうございます。嬉しい。

### kyon_mm - 超Scrum入門〜未完成フラクタルと15minSprint〜

今回のRSGTの中で得た大きな気付きの一つが「基盤チームって人間なんだ」ってところ。

この日はずっとホールAにいて、このトラックはずっと試行錯誤の泥臭い話をしてて勉強になったなー、でも最後は、きょんさんの美しさとは何かというキレイな世界のお話だったなー、泥臭さとは反対だなーと思ってた。

のだけど、この日のビアバッシュで基盤チームのみなさんとお話をすることができた。そしたら、あぁ、人間なんだなぁって思って、そのままぼーっと考えてたら、じつはきょんさんのセッションがこの日一番泥臭いセッションだったんじゃないかと思ったのだった。

それはとても良い気づきだった。

## 2日目

初日で発表が終わったので、解放感にあふれて参加。

### クリス Chris Lucian - Learning to Experiment

2日目のキーノート。学びのための実験をし続けようというお話。そしてクリスとチームが色々実験をして手に入れた色んなプラクティスを紹介してくれた。

印象に残った言葉は「隣の芝生は青く見えるだけ」だなー。色んなすばらしそうに聞こえる話を聞いても、それと自分を比べたりせずに、自分は今いる場所から一歩を踏み出して改善していくんだよって。それと「見積もりしない」。これは、この後ずっと議論の中心になってたね。

3日目のOSTのオープニングでクリスの隣に座ったので「見積もりしないってどういう感じなの?」って話を少ししてて「この話は昨日から話題になってるし、みんな色々聞きたいと思うよ」って言ってたからかどうかは分かんないけどOSTのテーマにしてくれてカッコ良かった。

### Kazuki Mori - Effective Retrospective / とにかく楽しいふりかえり

ふりかえりについての価値や原則のお話。立ち止まって、チームを成長させて、継続して良くしていく。それと成長と学びと場。2,3分聞くだけでも分かる練習量のセッションだったなー。すごい。

森さんともたくさんお話をできて嬉しかった。色々と話を聞いてくれたり、聞かせてくれたりして、ふりかえりのプロ意識を感じた。かっこよかったなー。

### ohbarye - プロダクトの「負債」を「機能」と呼び直すために ーA/Bテストを用いた"価値"の定量化ー / Fact based decision making

負債かなと思ってた機能を、仮設を立ててA/Bテストで実際に確認したお話。面白かった。ohbaryeさんのことはエンジニアリングマネージャーのコミュニティで一方的に知ってたんだけど、3日目には天野さんと3人で組織の成長についてのお話や、その中でどんな働き方があるか、みたいなお話をできて楽しかった!

### Yosuke Ota - スクラム1年生のチームが全員でRSGT2018に参加してわかったチーム開発、はじめの一歩

スクラムを始めて数ヶ月でちゃんと問題にぶつかって、それを解決するためのヒントを得るためにチーム全員でRSGT2018に仕事として参加できるようにした、よたさんの行動力。そして、そこで得たものをを元に、個人ではなくチームとして取り組んで、なりたいチームを目指して改善していくお話。スライドは公開されてないのかな?参考にしたいので、もういっかい見たい。

よたさん、最近知り合って何度かお話してるんだけど、話が上手だなぁってのと、でもしっかりとした軸があるのとで、話をしてて心地よくてかっこいい。

### Atsuko Tsujioka - リーダーシップを一度捨ててチームの輪の中に置いた話

「それってお客様のためですか?」から始まったお話。リーダーになってリーダーシップを手放すというのはなかなかできることではないよなぁと思いながら聞いてた。「メンバーが主体性を持ってくれない」ということに悩むリーダーは多いと思うんだけど、そういう人たちが聞くと何かしらヒントになることがあるんじゃないかなと思う。良かった。

辻岡さんは以前一緒のチームで仕事をしてた後輩なんだけど、久しぶりに会ったらもうすっかり同じ目線って感じの頼もしさになってて嬉しかった。あんまり喋らなかったからまた今度話聞かせてもらいに行こうと思う。

### Takao Oyobe / Haruna Iizuka / Masahiko Morita / Megumi Tsuchihashi / Ryota Nagatomo / Saki Ota / Saki Tanaka / Takuya Uchida / Tsubasa Kanemura / Yuki Misumi - 学習する/Unlearnするチームへ ー 新卒研修とスクラムとモブプログラミング ー

泣いた。いい話だなーで帰ろうとしたら、及部さんが許してくれなくて「で、この話を聞いて僕らは何をするんですか?」と。よたさんのセッションも、辻岡さんのセッションもそうだけど、彼らが見せてくれてる成長に対して、僕はどういう成長を見せることができるだろう?ってのを問いかけられたんだった。及部さんは相変わらず最高だった。

そして、学びの再構築。これは、すごく納得のできるものだった。これは最後のクロージングキーノートの「トレードオフ」につながるものだなぁって今、思う。

## 3日目

### OST

色んなテーブル・テーマに分かれてディスカッション。入るも抜けるも自由なオープンな場。どこも面白いテーマで、しかもみんな上手に意見を出し合ってお話してるなぁって思いながら蝶をやってた(ウロウロしながらちょこっとだけ口出したりしてまわる人のこと)。

それから、その場をうろうろしてる別の人と立ち止まってお話をしたりしてて、そんな中で@yohhatuとも話をした。その後に思ったのは、今回色んなセッションを見て感動したけど、それは絶対値の高さにではなくて、純粋に向き合ってる気持ちとそれが引き起こす成長に対してだな、ってこと。僕も成長していきたい。気づかせてくれてありがとう。

### Naoyuki Ide - よなよなエール流 熱狂を生むチームづくり ~8年連続赤字から13年連続増収増益までの軌跡~

クロージングキーノート。この3日間をしめくくるのに最高のセッションだった。感動した。それと、楽天で働いてて良かったなって思った。ほんのちょっとだとしても自分もよなよなエールの力になれてると思うととても幸せ。

## RSGT2019

二年ぶりに参加したけど、今年もとても良い場だった。色んな気付きや自分に対する問いかけ、それからヒントと、何よりたくさんの方とのつながりを得ることができた。

スタッフのみなさんありがとうございました。45分のセッションだけじゃなくて、20分のセッションがあって、15分の休憩があったり、中休みがあったりするのはとても過ごしやすいし、スピーカーとしても20分にどれだけ伝えたいことを詰め込んで聞いてもらえるかを考えるのもとても楽しいです。写真も、コーヒーも、前説も、素敵でした。大好きな水曜日のネコもあって幸せでした。

お疲れ様でした!ありがとうございました!

## あとがき

印象的だったのは、基盤チームも楽天の新卒たちも15分スプリントやモブワークをしてるんだけど「スクラムってこういうものだということを、他の方のセッションを聞いて知りました」と言ってたこと。スクラムを知らずに一歩先に行ってるなんて最高じゃないか。

僕自身は、かっこいいなと思って見てる誰かと同じことができるわけじゃないけど、色んな人達とのつながりの中で学んだことを元にして、自分の周りにいる人たちと一緒にちょっとずつ良い場を作っていこうと思う。そして、それが次の人達に伝わっていくといいなと思う。そんなに深くは考えてないけど、娘たちが大人になって、もし「コードを書きたい」って言ったときに、今よりもいい場になってたらいいなってくらい。

ということで、昨日も書いたけど、僕も来週から次のアクションを起こしていこうと思う。何を選んで、何を選ばないのか。

ひとまず明日は全部忘れて子どもたちと遊んで過ごして、明後日からスクフェスについて考えていこうと思う。がんばる!

confengine.com

RSGT2019で出会ったみなさんありがとうございました!また!