スクラムを導入するときに気にしたほうが良さそうなアプローチの違い

## RSGT2019の発表の準備をしてる

タイトルは「ちゃんとやってるのになんかうまくいかないスクラムからの脱出」。

confengine.com

## 「スクラム現場ガイド」を読み直してみてる

ちょっと頭の中がこんがらがってきたので、気分転換に「スクラム現場ガイド」を読み直してみてる。面白い。読んでて気づいたんだけど、副題が「スクラムを始めてみたけどうまくいかない時に読む本」だから、僕の発表のテーマと同じだ!

books.rakuten.co.jp

## どこか違う世界の話

読みながら、言ってることは分かるなぁと思いつつ、でも、物語には違和感がある。というのも例えばある人が「ペアプロ嫌だな」と思っていたとして僕の周りでは「仕事を失いたくないから」と拒まれることはない。どっちかってと「自分のスキルが見られるのが恥ずかしいから」ぐらいな感じ。環境や文化の違いなんだろうな。物語は全体的にそうで、どこか違う世界の話。

どういうところが違うのかなぁ、ってぼーっと考えて、ぱっと思いついたのはこんなの。

## 成果がでなければクビになる

本の中の人たちは、成果が出てなければ(出てないと思われたら)クビになる。日本だとクビにはならない。それが原因かどうか分かんないけど、僕の周りでは、成果よりも気持ちや頑張りを重視するタイプの人が以前は多かったように思う。「以前は」というのは、英語化をして海外出身のメンバーたちと働いていく中で会社の文化が一気に変わったから。

## 個人に与えられた役割を果たすことを重視している

そして本の中では、メンバーたちは自分に与えられた役割を果たすことを重視している。僕の周りだと、個人に与えられた役割を超えてチーム全体のために動いてしまう人が多かったかな。

## こんな雰囲気

f:id:bufferings:20181223193530j:plain

Bのところらへんがスクラムチームの居る場所な気がする。個人よりもチームとして価値を生み出すことを重視していると思う。

本の中の人たちは、AからBに遷移しているように感じた。「個人の役割の中に閉じるのではなく、チームとしてより良い成果をだしていきましょう」。

僕の周りでは、CからBに遷移した人が多いと思う。全体から個人に少し動いてるのは、ふわっとした役割ではなく役割を明確に定義することで「個人の無理な頑張りに頼って乗り越えることを減らしましょう」。それと、「頑張りではなく、成果を重要視していきましょう」。

## チームの全員がひとつのタイプというわけではない

今は色んな国から来たメンバーと仕事をする機会が多いのもあって、チームの全員が同じタイプというのは少ない。あるメンバーはAに居て、別のメンバーはCに居るという場合もよくある。日本人だけでチームを組んでてても、世代や経験の違いとかで場所はバラバラかなという気はする。

## アプローチの違い

なので例えば「このチームあまりうまく協力できてないなぁ」ってときには、メンバーそれぞれが大切にしていることを知ることから始めて、Aに居る人たちには「もっとチームとして動けるように役割を明確にしよう?」って話をするし、Cに居る人たちには「もっと無理しなくていい仕組みを作るために役割を明確にしよう?」って話をするよなーって思った。

スクラムがAの人に対して「チームワークだ!」って言うのを、Cの人が聞いて「おぉー!もっとチームワークなのか!」って、本当は左側に行くほうがいいのに、右側に移動して混乱しそう。

日本版のスクラム現場ガイドがあるとしたら、物語の内容はもっと共感できるものになりそう。